「もっと時間が欲しい」と毎日思っていました。
でも、もし時間ができても、仕事でその時間は埋まってしまうことになるだろうな、とも思いました。
そしてこうも考えました「時間の流れを遅くしたい」
多忙であることは成功していることと同じではない
「多忙」であろうとすることが、文化的に強く期待されるようになっています。しかも、「忙しい人ほど有能で、頭が良く、成功していて、尊敬と羨望を集めるものだ」と考える傾向があると、多くの心理学研究が指摘しています。私たちの社会は、一体いつから結果ではなく、費やした時間で知性や成功を計ることにしたのでしょうか。
現代人は起きている時間の半分はマルチタスキングをしています。1975年と比較すると、マルチタスキング時間は実に2倍になっています。電子機器が多すぎるせいで気が散り、過剰なデジタルコミュニケーションのせいで、情報処理能力、決断力、効率的に仕事を仕上げる能力が低下しています。
「現在、鬱や不安症になっている高校生や大学生の数は、大恐慌時代の5倍にのぼる」ことを発見しています。
こうした”多忙さ”を「過剰さ(overwhelm)」と命名しています。では、こうした問題は現代特有のものですが、どのように対処していくべきでしょうか?
意識を変える:ストレスを強く意識しないようにする
自分はストレスが多いと感じていると、実際に健康状態が良くなくなってきます。そのため、ヨガや深呼吸、あるいは自らの意志の力を活用し、自分のストレスを強く意識しないようにできれば、健康状態を改善させることができます。もちろん、ストレスの原因を根本的に解消することはできませんが、日々の実感としてポジティブな影響を感じることができるはずです。
ToDoリストが尽きることはなくても、人生はいつか必ず終わりを迎えるもの。
まずは、一息ついてください。ささやかながらものびのびとできる瞬間に巡り会えたら、自分を解放してあげてください。
まず幸福になる:物質的成功によらない幸福を探してみる
まず物質的な目標達成があり、幸福はそのあとにやってくると思われがちですが、その逆こそが真実です。つまり、まず幸福感があるべきなのです。まずは前向きに幸福を感じることで、目標の達成が促進されるべきなのです。
優先順位をつける:まず自分にとって重要度の高いことに時間を作る
本当の幸福は、自分の可能性を最大限に発揮し、本当の自分になることで達成されます。ほかの人の急用に対応するばかりでは無理なことでしょう。カレンダー上でまず優先度の高いことをスケジュールして、ルーティンを作りましょう。これで、毎日細かな決断をする必要がなくなり、重要な決断に集中できるようになります。一つの仕事ごとに休憩を取れば、頭をリフレッシュさせることができ、創造性や集中力、生産性が高まります。
最後に、自分にとって何が一番重要なのか、ベストな時間の使い方をするにはどうしたらいいかについて考えましょう。「時間には限りがあるので、他人の人生を生きて自分の時間を無駄にしてはいけない」とは、スティーブ・ジョブス氏がよく口にしていた言葉です。
感謝する:健康と成功は感謝の気持ちを通して発展する
感謝の気持ちは生活に影響を及ぼすという研究が多数発表されています。正直言って、以前の私は、このアドバイスにわざとらしさを感じていました。しかし、感謝の気持ちをもたない人に比べて、感謝する人はエネルギーが高く、楽観的で、社会的つながりが多く、幸福感も高いのです。収入も多く、健康的に眠ることができて、定期的にエクササイズをし、ウイルス感染に対する抵抗力も強いのです。
その日あった良いことを3つ思い浮かべるようにして、やるべきことでいっぱいの毎日に何か変化があるかどうか見てみましょう。
遊ぼう:最高の人生の中心には遊びがある
本気で遊ぶための時間をどのぐらいの頻度でとっていますか?
遊びのない人生は、機械的で退屈なもの。遊びによって、創造性、イノベーション、学習、問題解決、精神的回復力、幸福感が機能するようになります。人間には遊びが必要なのです。「遊ぶことで、自分自身を他人とも世界の諸々の可能性とも改めて結びつけることができるようになる」という考えを持ちましょう。
遊ぶときには、自分の基本的なニーズを満たすことが大切です。休みの日に本当にやりたいことを書き出してみると、実際にそれが実現する可能性が高まるので、ぜひ試してみて欲しいということです。
自由な時間をもちましょう。日常生活に組み込まれていない瞬間を感じ、クリエイティブになりましょう。テレビはつけないように。子供の頃、夢中になっていたときの幸福感を思い出してみてください。どうしてあんなに幸福だったのか、思い出してみましょう。
心から楽しんで遊んでいるときは、いつもとは違った状態になります。時間を感じなくなりますよね。遊びは大人の脳を柔軟に保ってくれるのです。
物理的には時間の流れの速度を遅くすることはできません。でも、子どもの頃のように、流れの遅い時間を体験することはできます。
私たちひとりひとりが、自分の人生の時間を取り戻して、より生産的に働き、できるかぎり人生を満喫して生きられたらいいと思います。今日という日にはもう二度と出会えないのですから。