その言葉に思わず、ドキっとされる方も多いのでは?
実は私たちの健康と腸内の環境は本当に深くつながっているのです。特に近年、腸の免疫機能が大注目されていますよね。というのも腸管に体の中で最も重要で最も大きな免疫器官があるからです。
腸は、毎日の食べ物や飲み物などの栄養を吸収してくれる大切な場所です。吸収された栄養は、その人の血液の質や体質を決定するようになります。つまり、人の生命維持にかかわる最も大切な器官なのです。
また、腸は体に必要な栄養素だけを吸収し、細菌やウイルスなど害のあるものは排除するという体を守る役割も果たさなくてはなりません。
一般的に腸の粘膜のヒダが健康なピンク色で、ポリープや宿便がない人は、肌にもハリがあり、若々しく、健康な場合が多いようです。逆に腸がかたく、狭く、便の停滞がある人は見た目も年齢よりも老けて見え、 実際にも生活習慣病を抱えている場合が多いということも納得できると思います。腸と免疫の関係は密接に関わり合っています。
腸の役割ってそもそもナニ?
腸は「第二の脳」と呼ばれます。腸内に入ってきた物質を良いか悪いかを判断する以外に、それをパターン化して記憶する仕組みのほか、実は脳内の神経伝達物質「セロトニン」の95%が腸で作られているという報告もあります。またさまざまなホルモン(ペプチド性ホルモン=脳内ペプチド)を生産し、多くの血管や神経が集まっている腸の状態は全身に影響します。皆様も経験があると思いますが、子供のころ試験前や発表会などの前に緊張のあまり、急な腹痛や下痢に襲われたりしたことが。このように頭で考えることと腸の活動は密接につながっているのです。つまり腸が「第二の脳」と呼ばれる理由になるのです。
日本人と欧米人は腸の長さに違いがある
個人差はあるものの、日本人の大腸の長さが約1.5m、欧米人で約1m。そう、我々の方が1.5倍も長いのです。 昔から欧米人は、肉中心の脂肪分が多い食事でしたが、日本人は野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。
腸は、栄養分を吸収する小腸と水分を吸収する大腸の2つに分かれます。小腸は、約6m。内側は、縦毛(じゅうもう)とよばれる無数のヒダに覆われそこから栄養分を吸収し毛細血管を通じてその栄養素を全身へ送る役目をもっています。 大腸は、約1.5m。小腸で吸収仕切れなかった食べ物のカスや水分が吸収され最終的に便となり排泄されます。 便秘などで排泄がたまると食べ物に含まる添加物などの影響で、腸内の腐敗が進みます。これが大腸の粘膜に接し続けるとがんなど様々な病気の原因になるといわれています。
便は通常7,8割が水分、残り2,3割が食物繊維や消化されなかった食物や腸内細菌などの死骸などが含まれています。 理想的な便は色が黄土色~こげ茶色でバナナのような形と熟した際の硬さを持ったものが良いといわれています。
食物繊維と水分量
食物繊維が多く含まれている野菜類や海草、きのこ類などなどが、ある程度消化されないでカサとなって出てくることで良い便となり、スムーズな排泄が出来るのです。
逆に悪い便は、2種類あります。1つは水分90%以上の下痢状の便です。もうひとつはコロコロ丸くて硬い便です。これは、水分が50%以下でもっとも悪い便です。
最悪の理由は、本来、排出すべき便を長時間、腸内に留めている結果、水分が減少し、硬くなるからです。 普段から肉食が多い人はこの2つのタイプの便になることが多いようです。最近、便秘をする人が非常に増えています。特に女性は悩みが深く、子供も増加傾向にあります。 このままでは腸の健康がどんどん損なわれてしまう危険があります。
なぜ便秘になるのか?
便秘には多くの原因がありますが、まず見直すべきは、食事の内容であり、特に動物性たんぱく質の取りすぎと食物繊維不足です。大腸の長さの違いにもあるように、私たち日本人は、草食向きに出来ている長い腸のため、ただでさえ便がたまりがちなことに加え、急速に変化した食生活がさらに追い討ちを掛けています。
お肉や加工食品ばかり、過剰なダイエットなど食生活に問題あるのに加え、睡眠不足・運動不足など不規則な生活、運動もしない怠惰な習慣、そして仕事場、学校、子育てなど家庭での悩みからくる精神的なストレスが便秘を引き起こすと考えられています。
また、便秘は特に近年日本の女性に増えている大腸がんを引き起こす事も大きな問題です。慢性的な便秘の場合、便意をがまんすることを繰り返したために直腸から脳に伝わる刺激が弱くなったりします。また、睡眠不足、運動不足や精神的なストレスなどの原因も多く見られ、便秘薬への過度な依存も良くありません。
腸内改善は幸せな人生への第一歩
腸の健康は、そのまま「そのヒトの健康」といっても過言ではない位、大きく大切なものです。腸内改善や腸活というキーワードが大きく謳われる時代。もう腸内を見過ごす生活は終わりにしましょう。
では、腸内改善のためにはまず何をすればよいのか?
それは、まず腸内をリセットすること。無駄なものを排除してしまう事です。
長年蓄積された腐敗物を取り除くには、一見乱暴に思えるかもしれませんが、全部出しちゃう事がシンプルで効果的なのです。そこで、最近注目を集めているのがファスティング!
実は、太古より大切な行事の前には断食が行われていたなど、ファスティングを行う事によって免疫力を高めたり、集中力を高めたりする効果は、昔から実証されているのです。動物も体調が悪くなると、本能で断食を行いじっと回復を待ちますよね。
ただ、食べないという事だけではなく、効果的に食べないという考え方を学びましょう。
飽食の時代。避けては通れないジャンクフードや大好きな肉を食べる生活だからこそ、たまに自分の体をメンテナンスしてあげる事が大切なのではないでしょうか。